第4回 iYappo
技術チャレンジこそが利益!!
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2001年05月07日
ページビューは1日あたり15万から20万、巨大iモード検索エンジン「iYappo」の大沢さんにお話をお伺いました。
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大沢 和宏氏 23歳 あの「まぐまぐ」と同じ日に検索エンジン「Yappo」をスタートさせる。当時から「ロボット検索」や「人気サイトランキング」など、現在の「iYappo」ならではのサービスを提供していた。検索エンジンを始めて4年が経過、当初は趣味としてやってきたものの、今ではそんな悠長な事も言っていられないほどに成長。当面の目標は「登録されているサイトの品質向上のみ」 |
[編集部] 「iYappo」はいつ頃始められました?
[大沢氏] 「iYappo」は99年の7月中旬くらいですね。
[編集部] 「iYappo」の設立の経緯は?
[大沢氏] iモード端末を買ったのがきっかけで(笑)。それまではiモードが使いものになるのかどうか疑問だったのですけど、買ってみたら完全に考えが逆転しましたね。すぐにこのシステムを構築してしまったという(笑)。
ちょうど「まぐまぐ」が始まった97年の1月に「Yappo」というPCのほうの検索エンジンを立ち上げました。でも、それはサーバの負荷が大きくなって1年くらいで終わってしまいました。で、実際は98年の12月に「yappo.ne.jp」というドメイン名を取得しており、99年に自宅にOCN回線を引いていましたので、サーバー設置も容易でした。しかし今はトラフィックも多いので、自宅ではなく、知人の会社のサーバーに無償で設置させてもらってます。
[編集部] 「Yappo」の名前の由来は?
[大沢氏] 「ヤフー」という有名な検索エンジンがありまして、これに「ヤッホー」と掛け合わせました。ドメイン取得時念のため「ネーミングに問題はないか」という問い合わせしたら、快く承知してくださったうえ、ちょうどエイプリルフールだったので「本日のおすすめ」で紹介してくださいました(笑)。
[編集部] ビジネスというより「なんかオモシロイから」やってみようと?
[大沢氏] 探求心? ですね、ホント(笑)。当初からはこれだけのPVを予想してませんでした。1日全部で5000ぐらいあれば良いと思ってました。
[編集部] 本当におひとりで運営されているのですか?
[大沢氏] さすがにシステムのテストは人にやってもらうこともありましたが、現在の規模ならひとりのほうが効率は良いです。自分で部品を買ってきてサーバーを組み立てて、プログラムも開発して。プレイステーション版(*)もその日のうちにできました。
*iモード端末をプレイステーションにつないでテレビ画面でiモードコンテンツを楽しむことができる携帯電話接続ケーブルを、大沢氏は発売と同時に購入。その日のうちにプレイステーション対応のシステムを構築し、各ニュースサイトにリリースを発表するという早業をやってのけた。
[編集部] 掲載されている情報はどうやって集めているんですか?
[大沢氏] ユーザーの方から登録してもらうんですよ。最初のうちは、1日数十件を手動で登録していましたが、ある程度まとまった数になって自分で登録するのはやめました。
[編集部] ユーザーとのコミュニケーションは?
[大沢氏] 検索エンジンだけではコミュニケーションは成り立たないので、2日ほどチャットを置いてみたんです。トップページにリンクを貼っていたんですけど、誰も来ない(笑)。目的がはっきりしてて興味深いと思いました。あくまでも検索エンジンであって、出会いの場としては認知されていないんですね。
[編集部] ところで大沢さんの本業は何ですか?
[大沢氏] パソコン向けのメール配信代行、広告宣伝等の会社で技術系の仕事をしています。メール配信のシステム構築や開発、ネットワーク系の仕事で(「iYappo」の仕事に)近いと言えば近いですね。今勤めている会社の社長と知り合ったきっかけも「iYappo」なんです。
[編集部] 「iYappo」と他の検索エンジンとの違いはどんなところですか?
[大沢氏] ほかの個人の検索エンジンよりかなり手が込んでいると思います。「OH!NEW?」さんは一般寄り、コンテンツ寄り、「iYappo」はシステム寄り、玄人寄りと言われます。プログラマーが喜びそうな目に見えないところで凝ったアイデアも浮かんできます。たとえば、検索結果のサイト一覧にしても、普通は新着順とかですけどそれは使いにくいし不公平だし・・・。そこで、一度サイトの中身をあらいざらい自動的に解析して、内容に即した点数をつけて成績の良い順に並べてみるとか。
[編集部] 今後のビジネス展開はどう考えていますか?
[大沢氏] 新しい付加価値をつけた突拍子のないものを、と思っています。
広告も先月から入るようにしましたが、収益があがっているわけではありません。あくまで先行投資のつもりでやってきました。貯金でやってきましたが、そろそろ個人でやるのは限界に近いかなとも思っています。どこかと一緒に組んでやることも考えていますが、他の大きなところに引っ掻き回されないようにしたいですね。
[編集部] 売ってほしいということころもありませんか?
[大沢氏] 手放すことは考えてません。極端な話、アクセスがなくなるまでやっている気がします。どこかに売却するとしても、そのまま人間ごと行くつもりです。結構奥が深くて、技術者の視点から見てやりがいがあるので・・・。
[編集部] 登録者の傾向は?
[大沢氏] 年齢とか個人データは取ってないんです。登録はニックネームと連絡用のメールアドレスのみの必要最低限のデータのみです。あまり個人データをとっておきたくないですし・・・。一応2万件の登録があります。ロボット検索の方では15万件くらいですね。
[編集部] 登録をしても更新されてないサイトがあると思いますが?
[大沢氏] 20〜30%くらいは無責任にほったらかしてますね。ちゃんと運営している人はちゃんとしているんですけどね。すでにドメインがなくなっている「死んでる」サイトも自動的にリストアップされますけど削除してませんね。503iとか最近画像が良くなっているので、あからさまな画像を掲載しているサイトや、犯罪を示唆しているサイトは手動で削除しています。パターンマッチング(登録内容が半自動的に認識されるシステム)である程度選別できるので、怪しいサイトはランキングに出さないようにしています。
[編集部] 最近のホームページの傾向はどうですか?
[大沢氏] 無料ということもあってこれだけ普及したせいかもしれませんが、質の良いコンテンツは減ってきていますね。正直なところ手に負えなくなってきてます。個人的におもしろいと思うのはお笑い系と技術系。単純にエンターテインメント系でおもしろいものは少ないですね。実際におもしろいサイトは1%未満ですね。企業で運営しているところでおもしろいと思ったのはe燃費(株式会社アスキー http://auto.ascii24.com/auto24/e-nenpi/)。発想とかね、あとコラムも。切り口がおもしろい。
[編集部] ジャンルというのはどんどん増えていると思うのですが、それは大沢さんのほうから項目を作っていってるんですか?
[大沢氏] たまにユーザーさんからリクエストがあったり、他の検索エンジンの状況を見たり。あまりにいびつなカテゴリーは使いにくいので、他にあわせようと・・・。半自動で登録されるので、適切なカテゴリー、サイトがなかったりという欠点はありますね。
[編集部] 苦労されている点は?
[大沢氏] 時間がないことです。すべてはそこですね(笑)。時間があれば毎日何か作っているのでしょうね(笑)。時間がないからこそ長いスパンで見ていられるので。しょっちゅう変えていればアクセス動向が急激に変わった時、その原因が分からなくなりますからね。
[編集部] 一番時間をかけていることは?
[大沢氏] システムとしての新しさの追求です。中身(コンテンツ)はユーザーに作ってもらう、いわば入れ物作り。新しいカテゴリーの新設、削除すべきものの整理など、メンテナンスや技術者の視点からいろいろな面で凝ってしまうんです。人からみればどうでもいいところなんですけどね(笑)。
[編集部] 検索サイトに惹かれる理由は?
[大沢氏] PC版のほうは単純にアクセス集めですね、それは終了しましたけど。iモード版は技術的探求心です。iモード版はサンプルが多く、ページが小さくて5Kb以上のファイルが読めないことから扱いやすいかなと。ユーザーも増やしやすい。魅力はそこから生まれる技術的チャレンジですね。
「IT職人」のさらなる挑戦は続く。
(森山 静/編集部 木暮祐一)
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