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■製品レビュー
(ソフトウェア)
ビデオ編集ソフト


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Adobe Premiere LE 日本語版 (アドビシステムズ) (2002年3月28日)
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Printable Version アスキー PC Explorerアスキー PC Explorer 2002年4月号
2002年4月16日


ビデオやアニメの作成に欠かせないビジュアル編集ツール「Adobe After Effects」が7カ月ぶりにバージョンアップした。+0.5のマイナーバージョンアップだが、3Dサポートの強化やビジュアルプラグインの追加など、クオリティを向上させる数多くの強化ポイントがある。

After Effectsとは?

 アドビシステムズの「Adobe After Effects」は、ビデオクリップにブラー(揺らぎ)やレンズフレア(太陽光のギラつき)などの各種映像効果を与える「ビジュアルエフェクトツール」、イメージクリップやテキストに動きを付けてアニメーションの作成を行う「モーショングラフィックスツール」、さらには複数ビデオクリップもしくはイメージクリップの合成を行う「コンポジットツール」という3つの機能を持つ映像制作のためのソフトウェアだ。趣味で映像を扱うハイアマチュアからプロのクリエイターまで幅広い層をターゲットとするツールで、アドビでは上記の機能をまとめた「スタンダード版」と、これにモーションコントロールやビジュアルエフェクトに関する強力なプラグインを追加した「プロ版」の2パッケージを展開している。

 2001年6月に登場した前バージョン(5.0)において、2Dグラフィックスイメージを3D空間に配置することで奥行き感のある立体的な画像に表現する「3Dサポート」、レイヤーに主従関係を付加する「ペアレントコントロール」、JavaScriptを使って透明度や大きさといったオブジェクトの属性を複数レイヤー間で関連付けできる「エクスプレッション」など、数多くの新機能を導入、大幅な機能強化を図ったことは記憶に新しいが、今回登場したAfter Effects 5.5はそのマイナーアップグレードということになる。After Effects 5.5では5.0の新機能である3D表現やエクスプレッションといった各機能の強化をはじめ、ビジュアルプラグインの追加、マスクの強化、パレットの新設、入出力フォーマットの拡張、さらにはPentium 4(SSE2)対応によるパフォーマンスの向上など、数多くの部分で機能強化や新機能の追加が行われている。ここでは、その中から代表的なものに注目してみよう。

大幅に強化された表現力

 今回のバージョンアップで特に目立つのが、「3Dサポートの強化」と「ビジュアルエフェクトプラグインの追加」による表現力の強化だろう。

 3D関連では、配置したオブジェクトの質感を調整するマテリアルオプションに「透過率」「金属」という属性が新たに追加された。透過率とは、オブジェクトに対して光源からの光をどれくらい透過させるか、その度合いを示すもので、100〜0%で指定する。透過率を上げると透明なガラスのように、光はオブジェクトを抜けて先へと伸びる。と同時に、オブジェクトを透過した光はオブジェクトに設定したカラーの影響を受ける。例えば、白色光を放つライトの前に赤い平面オブジェクトを置き、透過率を高く設定すると、そのオブジェクトの先に透過した赤い光が伸びる。単色だけでなく、グラデーションカラーやステンドグラスのような複雑な色彩でも、それに応じた透過光として表現される。これを使えば、簡単なカラーフィルタの効果も与えられるというワケだ。

図1 マテリアルオプション−「ライトの透過」により、オブジェクトの影に色をつけられるようになった(左)。この状態は透過率が100%なので(タイムライン参照)、前面にある赤いオブジェクトの色がそのまま後ろの白いオブジェクトに落ちている。透過率を50%にした場合(中央)、透過率を0%にした場合(右)ではそれぞれ印象がかなり異なる。

図2 上はマテリアルオプション−「金属」を100%に設定したオブジェクト。下は基本設定は同じまま、金属の値を0%に設定したオブジェクトだ。ハイライトの処理の違いにご注目いただきたい。
 一方の金属は、鏡面ハイライトをコントロールする属性である。値は100〜0%の間から指定でき、値を高くするほど金属の質感に近いまぶしい光沢の表現になり、逆に値を低くすると、照射されたライトの色がハイライトとして使われ、やわらかい感じ(プラスチックに反射するような表現)になる。金属の質感を持つロゴなどは従来の5.0でも作成できたが、質感を再現するための手順が複雑だった。ワンアクションで設定できる今回の拡張はうれしい。



図3 ライトを調整レイヤーとして使用したサンプル。この例ではライトレイヤーをレイヤー2とレイヤー3の間に配置しているため、ライトによる照明効果はレイヤー3(ワークスペース左下にあるオブジェクト)にのみ働いている。
 3D関連ではこのほかに、3Dオブジェクトのライトを調整レイヤーとしても扱えるようになっている。そのメリットは、ライトによる照明効果がライトレイヤーの下にある3Dレイヤーのオブジェクトにのみ作用するということ。深い奥行きを表現したり、複数あるオブジェクトの中から特定のオブジェクトだけを強調するようなシチュエーションに特に役立つだろう。



図4 エフェクト「稲妻(高度)」では表現力が豊かになり、一般的な雷以外にもさまざまなものを描けるようになった。
 表現力を高めるビジュアルエフェクトプラグインは、今回新たに8つ追加されている。具体的には、ブラックポイントやホワイトポイントの指定によりビデオの露出を最適な状態に変更できる「カラースタビライザ」、稲妻の閃光をよりリアルに再現する「稲妻(高度)」、イメージ内のチャンネルごとにガンマや入出力カラーレベルを調整できる「レベル」、グラデーションカラーをリアルタイムに変化させる「4色カラーグラデーション」、セル(細胞)状のパターンを生成する「セルパターン」、グリッドを作成する「グリッド」、フラクタル図形によってエッジを荒く見せる「ラフエッジ」、時間軸がずれているふたつのレイヤーの違いから複雑なマット(透明な部分を定義するレイヤー)などを作成できる「時間差」。このうちカラースタビライザと稲妻(高度)は、プロ版のみに収録され、逆に従来はプロ版のみに付属していたプラグインの一部がスタンダード版で使えるようにもなっている。新たにスタンダード版に対応したプラグインは「稲妻」「波紋」「回転」「波型ワープ」の4種類。スタンダード版では、実に10種類ものプラグインが一挙に追加される計算となる。アップグレードを検討しているスタンダード版のユーザーには大きな魅力といえよう。




図5 エフェクト「4色カラーグラデーション」では、文字どおり4色のカラーによるグラデーションを作成可能だ。
図6 エフェクト「セルパターン」では、バブルや結晶といったパターンのアニメーションを作成できる。左の画面は、バブル右はプレートをパターンに採用したもの。

図7 エフェクト「ラフエッジ」。オブジェクトのエッジを崩したり、錆付いたような効果を与えたいときに重宝するだろう。

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