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ブロードバンドルータ完全ガイド 広帯域を使い尽くすための強い味方「ブロードバンドルータ」を極める
ブロードバンドルータ完全ガイド

2001年8月2日

ADSLやCATVを利用したインターネットアクセスサービスが普及するに伴い、ブロードバンドルータの新製品が続々登場してきた。そこで今回はブロードバンドルータの基本的な働きと、製品選びの決め手となるポイントについて解説しよう。
※月刊ASCII Digital Buyer8月号より転載。

本文中の実売価格は、デジタルバイヤー編集部が2001年6月上旬に調べた店頭価格を元に算出したものです。時期によって価格が変動している場合がありますので、あらかじめご了承ください。

ブロードバンドルータは何をしている?

標準的なブロードバンドルータが装備する前面のインジケータおよび背面の端子類。フロントには電源ランプのほか、WAN側回線およびLAN側回線の通信状態を示すLEDインジケータを装備しており、点灯と点滅、LEDの色の違いなどにより動作状態を把握できる。背面にはケーブルモデムやADSLモデムを接続するためのWAN側接続ポート、PCなどをLAN接続するためのポートを搭載している。WAN側ポートは高速なスループットを謳う機種では10BASE-T/100BASE-TX対応のものを搭載しているが、これらはNTT東/西日本が提供する「Bフレッツ」などより高速なサービスを利用する場合には必要となるものの、「フレッツ・ADSL」や一般的なケーブルインターネットサービスでは多くの機種が採用している10BASE-Tで充分なパフォーマンスが得られるだろう。LAN側ポートは現在ではほとんどの機種で10BASE-T/100BASE-TX対応となっており、4ポート程度のスイッチングハブ機能を内蔵しているのが一般的だ。
 CATVやADSLによるインターネットアクセスサービスを利用していて、しかも家には複数のPCが存在している。ブロードバンドルータを使えば、LANでつないだすべてのPCがインターネットにアクセスできるようになることもわかっている。では、どのブロードバンドルータを買えばいいのだろうか? それにはまずブロードバンドルータの働きを理解しておこう。

 すでにPCをLANでつないでいるユーザーなら、プライベートIPアドレスやグローバルIPアドレスという言葉を聞いたことがあるだろう。「IPアドレス」はネットワークでつながったPCを特定するための住所のようなものだ。重複しているとPCを特定できなくなってしまうため、ネットワークにつながるPCにはすべて別々のIPアドレスを割り当てなければならない。ところがIPアドレスには32bitのアドレス空間しかなく、ネットワークに接続しているすべてのPCに個別のIPアドレスを割り振れるほど余裕がないのが現状だ。いわゆる“IPアドレスの枯渇”というやつである。
 そこでインターネットに直接つながっているPC(PCだけでなくあらゆるコンピュータやネットワーク機器すべて)にだけ“個別のIPアドレス”を割り振り、家庭内LANのような閉じたネットワークでは“好き勝手に割り振っていいIPアドレス”が用意されている。前者が「グローバルIPアドレス」で後者が「プライベートIPアドレス」である。

 プロバイダから複数のグローバルIPアドレスの割り当てを受けていて(IPアドレスごとに追加料金が必要になるのが一般的)、各PCにグローバルIPアドレスを割り振っているなら、PCをつないでいるハブにADSLモデムやケーブルモデムをただ単に接続するだけで、すべての端末からインターネットにアクセスすることが可能になる。
 ただし、この場合は“もはやLANではない”という点に注意したい。自分では家庭内にプライベートなネットワークを構築しているつもりでも、実際にはすべての端末(PC)がインターネットに直結している状態にあるのだ。ファイアウォールのような機能はどこにも用意されないことになるので、個々の端末ごとにきっちりとセキュリティ対策を行わなければならない。

 一方、プライベートIPアドレスを使って構築したネットワークはインターネットと直接接続できない。なぜならプライベートIPアドレスの割り振られたPCがインターネット上のたとえばWebサーバにアクセスしても、そもそもそのIPアドレスを持った端末はインターネット上には存在しないはずなので、WebサーバはそのPCがどこに存在しているのかわからずデータを送り返すことができないのである。この“本来なら宛先不明になってしまうパケットがきちんとそのPC宛に届くようにする”というのがブロードバンドルータの仕事だ。





IPアドレス変換によるインターネットアクセス

 図に示すようにブロードバンドルータはインターネット(WAN)とLANの間に存在しており、WAN側からはグローバルIPアドレスが割り振られた機器として、LAN側からはプライベートIPアドレスを持つ機器として見えている。LAN上のPCがインターネット上のWebサーバなどにアクセスしようとしてパケットを送り出すと、ブロードバンドルータはあたかもそれは自分が出したもののように、送り主のプライベートIPアドレスを自分のグローバルIPアドレスに書き換えてインターネット上に送り出す。ブロードバンドルータはそのパケットを実際に出したLAN上のPCを覚えておき、そのパケットに対する返事がインターネット上のサーバから返ってきたら、宛先を自分のグローバルIPアドレスから元の送り主のプライベートIPアドレスに書き換える。そのパケットをLAN上に送り出せばもとの持ち主に届くという仕組みだ。

アドレス変換を利用したインターネットへのアクセス。

 このIPアドレスの書き換えが“NAT”と呼ばれる技術だ。NATは一対一でのアドレス変換のことであり、LAN内の複数のPCからのパケットをそれぞれ区別してアドレス変換する技術は“IPマスカレード”と呼ばれる。この処理を効率的にこなせるブロードバンドルータが、いわゆるWAN→LAN間のスループットが高い製品ということになる。CATVインターネットやフレッツ・ADSLを利用している場合は最低でも2Mbps程度のスループットを実現している製品を選択したい。また、最大8Mbpsを謳う「Yahoo! BB」ではより高速なスループットを実現している製品でないと、せっかくの広帯域をフルに利用することはできない。さらに将来のFTTHなど、より高速なサービスの利用を視野に入れているユーザーは、数十Mbps程度のスループットを達成している製品が必要だろう。

パケットフィルタをはじめとする多くの付加機能

 このようにブロードバンドルータはLANとインターネットの接点の役割を果たしIPアドレスの変換を行うために、LANから出て行くパケットと入ってくるパケットをいちいちチェックしているのである。この際におかしなパケットがLANから外に出たり、逆に中に入り込まないようにチェックする仕事が、「パケットフィルタリング」である。ブロードバンドルータを導入するとセキュリティが向上するというのは、こういう働きがあるからだ。

 ただし、IPマスカレードおよびパケットフィルタリングを行うことで、ネットワークゲームやページャソフトの一部には動作しなくなるものがある。またLAN内に設置したサーバをインターネット側から参照することも不可能だ。これらを利用するには、ユーザーが“独自にパケットフィルタとIPアドレス変換テーブルを編集”する必要があるが、今回紹介しているすべての製品でこれらの機能はサポートされている。また、パケットフィルタを設定すれば、LANからインターネットへのアクセスを任意に制御できるので、LAN内の特定の端末からはインターネット上のWebページを閲覧することができないといったアクセス制限も可能になる。

 このほかでは、LAN上のPCに自動的にプライベートIPアドレスを割り振ることで、個々のPCのネットワーク設定を簡単に行えるDHCPサーバ機能や、逆にプロバイダからグローバルIPアドレスを割り振ってもらうDHCPクライアント機能などもすべての製品がサポートしている。さらにNTT東/西日本が提供しているフレッツ・ADSLで利用するPPPoE(PPP over Ethernet)も標準でサポートしているのが一般的であり、個々の製品間で機能的な差はほとんどなくなってきている。

 機能的な差がつきにくくなっている中で、強力なファイアウォール機能をウリにする製品も登場してきている。ヤマハの「NetVolante RTA54i」やネットギアの「 FR314」などでは、普段はすべてのポートを閉じてセキュリティを確保しながら、ネットワークゲームやページャソフトを利用するとブロードバンドルータ自身が動的にポートのオープン/クローズを行い、特別な設定を行わなくてもそれらのソフトを実行できる機能を搭載している。これによりセキュリティとユーザービリティの両立を可能としている。そのほかNetVolante RTA54iやエヌ・ティ・ティ エムイーの「 MN128-SOHO PAL B&I」などのようにブロードバンドアクセスだけでなくISDN回線をサポートしたり、NECの「 Aterm WL20R」のようにLAN側インターフェイスとして無線LAN機能を搭載するものなど、付加機能によって差別化を図っている製品もある。ブロードバンドルータを選ぶ際は、設定メニューの使いやすさやスループットなどに加え、これら付加的な要素も製品選択のポイントとなるだろう。

 ブロードバンドルータの導入にあたって注意したいのは、一部のインターネット接続業者では利用を禁止しているという点だ。ブロードバンドルータを購入する際には、自分が利用している接続サービスの内容と、実現したいインターネットアクセス環境を吟味し、必要な機能をサポートしている製品を選ぶようにしよう。



NetVolante RTA54i
ヤマハ

 NetVolante RTA54iは、CATVやADSLを利用したブロードバンドルータとしてだけでなく、ISDN回線を利用したダイヤルアップルータとしての機能も併せ持つ製品だ。ブロードバンドへ移行予定のあるダイヤルアップユーザーだけでなく、外出先から自宅のPCにリモートアクセスしたり、IPアドレス変換を行うと利用できないネットワークゲームのためにTAが必要なユーザーなどをターゲットとしている。
 また、セキュリティの面では、外部からの特定のポートや特定のパターンでのアクセスを、不正アクセスとしてユーザーにメールで通知する「不正アクセス検知機能」や、特定のパケットを検出すると自動的にフィルタリング設定を変更する「ダイナミックフィルタリング」機能などの独自の機能を装備する。




前面にはISDN、WAN、LAN、USBの接続状態と動作状態を示すLEDを8個搭載する。ブロードバンドだけでなくISDN回線もサポートするため背面にはぎっしりとポートを装備。

NetVolante RTA54iの機能設定はWebブラウザから行う。ブロードバンドルータとダイヤルアップルータの機能を併せ持つため設定項目の数は多いが、項目ごとに詳細な解説が用意され、初心者にもわかりやすい。
NetVolante RTA54iの主なスペック
製品名 NetVolante RTA54i
価格 オープンプライス(実売3万5000円前後)
販売元 ヤマハ
問い合わせ先 03-5715-0350
http://netvolante.rtpro.yamaha.co.jp/
WAN側インターフェイス 10BASE-T、ISDN
LAN側インターフェイス 10BASE-T×4
設定方法 Webブラウザ、telnet
本体サイズ 26(W)×115(D)×235(H)mm
重量 480g

MN128-SOHO PAL B&I
エヌ・ティ・ティ エムイー

 MN128-SOHO PAL B&Iは、NetVolanteと同じく、WAN側回線としてADSLやCATVに加えISDNにも対応し、多様なインターネットへの接続形態をサポートできるブロードバンドルータだ。ADSL/CATVとISDNへ同時に接続することも可能なので、ブロードバンドでインターネットへアクセスしながら、ISDN回線経由でのリモートアクセスの着信も行えるなど、用途の広い製品だ。
 フロントパネルには漢字も表示できる液晶ディスプレイ(全角8文字×4行)を装備しており、着信したメールを確認できるほか設定情報や通信状態などを把握することにも利用できる。動作エラーなども表示されるので、問題にも素早く対処できるなど、初心者にも使いやすいだろう。




前面には8文字×4行表示の液晶を装備し、動作状態がわかりやすい。背面にはNetVolante RTA54i同様、Ethernetポートに加えISDNのU点やS/T点、アナログポートなどを装備する。

目的別に4つに分類されたメニューが用意され、設定したい項目を探しやすい。ただし「ブロードバンドの設定」内にDHCPクライアント機能を使わずIPアドレスを固定する場合のメニューが用意されないなど、違和感を感じる部分もある。
MN128-SOHO PAL B&Iの主なスペック
製品名 MN128-SOHO PAL B&I
価格 3万9800円
販売元 エヌ・ティ・ティ エムイー
問い合わせ先 0120-128064
http://www.ntt-me.co.jp/mn128/
WAN側インターフェイス 10BASE-T、ISDN
LAN側インターフェイス 10BASE-T×4
設定方法 Webブラウザ、telnet
本体サイズ 198(W)×170(D)×45(H)mm
重量 700g

NetGenesis OPT
マイクロ総合研究所

 光ファイバーを利用したインターネットアクセスが始まろうとしているが、NetGenesis OPTは、それを視野に入れて開発された高速なブロードバンドルータだ。LAN側の10BASE-T/100BASE-TX対応4ポートスイッチングハブに加え、WAN側ポートも10BASE-T/100BASE-TX対応とし、さらにWAN−LAN間の接続も100Mbpsの帯域を確保したことで、実効スループット30Mbpsを実現している。
 常時接続環境に求められるセキュリティ機能としてパケットフィルタリングに対応するほか、ネットワークゲームへ対応できる静的IPアドレス変換機能や、インターネットから時刻情報を取得し、LAN内のPCの時計を合わせられるNTP/SNTPクライアントおよびSNTPサーバ機能も装備している。




前面にはWANおよびLANのリンク状態と通信状態を示すLEDを装備し、背面にはUplinkポートを持つ4つのLANポートと、10BASE-T/100BASE-TX対応のWANポートを装備する。

NetGenesis OPTは、一見ほかの機種と同様にWebサーバを搭載し、クライアントPCからこれにアクセスして機能設定が行えるような印象だが、実際はPC上にWebサーバを起動し、そこで設定を行った結果をネットワーク経由で転送する方式になっている。機能設定画面はいたってシンプルな印象。1画面に用意される設定項目は少なめで、わかりやすく、関連する項目を選んで次々ページを進めていきながら設定できる。
NetGenesis OPTの主なスペック
製品名 NetGenesis OPT
価格 オープンプライス(MRダイレクト価格 2万6800円)
販売元 マイクロ総合研究所
問い合わせ先 03-3458-9021
http://www.mrl.co.jp/
WAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX
LAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×4
設定方法 Webブラウザ
本体サイズ 288(W)×143(D)×30(H)mm
重量 800g


FR314
ネットギア日本支社

 固定したIPアドレスを利用しての常時接続では、悪意のあるユーザーからの不正アクセスの危険がある。FR314は一般的なパケットフィルタに加え、パケットの内容に応じてFR314自身が動的にポートのオープン/クローズを行う「ステートフル・パケット・インスペクション」技術を利用したファイアウォール機能を搭載するのが特徴だ。さらに常時監視しているアクセス状況のログや、不正なアクセスがあった場合の警告などをメールで管理者に送信する機能も持つ。
 そのほかコンテンツフィルタリングによりLAN内からのWebアクセスを規制でき、フィルタリストのアップデートサービスも用意されている。




フロントパネルにはWANおよびLANポートの動作状態を示すLEDインジケータを持つ。大きめのボディサイズにより4ポートスイッチングハブとWANポートを搭載する背面はすっきりした印象。

FR314の設定メニューは日本語化されていないが、もともとネットワーク用語は日本語に翻訳されてないのでキーワードがわかれば何とかなる。さすがにファイアウォール機能は詳細に設定できる。
FR314の主なスペック
製品名 FR314
価格 5万3000円
販売元 ネットギア日本支社
問い合わせ先 0120-66-5402
http://www.netgearinc.co.jp/
WAN側インターフェイス 10BASE-T
LAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×4
設定方法 Webブラウザ
本体サイズ 253(W)×181(D)×35(H)mm
重量 1100g

Aterm WL20R&WL11U
NEC

 Aterm WL20R&WL11Uは、11Mbps対応の無線LAN機能を内蔵したブロードバンドルータ「Aterm WL20R」と、USB接続タイプの無線LANアダプタ「Aterm WL11U」のセットパッケージだ。WL20Rは、本体背面にUSB端子のほかEthernetポートをWAN側用の1ポートしか装備しておらず、LAN側のPCは無線LAN経由、あるいはUSBによる疑似LAN機能で接続する、無線LAN環境での使用を前提とした製品だ。
 さらにインターネットへの接続においても一般的なブロードバンドルータと異なり、普段はWAN−LAN間の通信を切っており、インターネットへ接続する際はPCに常駐するソフトがメッセージを表示してユーザーに知らせるシステムを持っている。つなぎっぱなしを不安に感じる初心者への対応が図られている。




通信状態と接続状態を示すインジケータは前面と側面から確認可能。LAN側回線は基本的に無線を利用するため背面にはWANポートとUSBのみを装備する。

Aterm WL20Rの機能設定は、PCにインストールするユーティリティ「らくらくアシスタント」を利用して行う。PCへの導入からファームウェアのアップグレードまで、すべてウィザードに従っているだけでいつのまにか設定が終わっているという印象。Aterm側の設定だけでなく、PCのネットワーク設定もすべてユーティリティソフトが自動的に行ってくれるので、初めてネットワークを導入する場合には重宝するだろう。
Aterm WL20R&WL11Uの主なスペック
製品名 Aterm WL20R&WL11U
価格 オープンプライス(実売4万5000円前後)
販売元 NEC
問い合わせ先 0120-361138
http://aterm.cplaza.ne.jp/
WAN側インターフェイス 10BASE-T
LAN側インターフェイス USB×1、無線(IEEE802.11b)
設定方法 ユーティリティソフト
本体サイズ 70(W)×157(D)×181(H)mm
重量 550g

bRoad Lanner BRL-04F
プラネックス

 BRL-04Fは、LAN側の10BASE-T/100BASE-TX対応4ポートスイッチングハブに加え、WAN側にも10BASE-T/100BASE-TX対応ポートを装備し、従来モデルよりも高速なCPUを搭載することで、8.5MbpsのWAN−LAN間スループットを実現した高速なブロードバンドルータだ。
 さらにハブ側の1ポートにUplinkポートとの切り替えスイッチを設け別のハブとの接続に対応するほか、WAN側ポートもUplink切り替えを可能とし、クロス結線の必要なADSL/ケーブルでもストレートケーブルで接続できる汎用性の高さを持っている。
 ソフトウェア面でも、PPPoE対応をはじめ、パケットフィルタリングやバーチャルサーバ機能、DHCPサーバ/クライアント機能など充分な内容を持った製品だ。




WAN、LANポートの動作状態を示すインジケータは本体前面および上面からも確認できるようになっている。背面のポートはWAN、LANともにUplinkスイッチを搭載する。

非常にシンプルなBRL-04Fの設定画面。項目数も少なく目的の機能にアクセスしやすい。ただし、メニューの説明などはまったく用意されておらず、ヘルプへのリンクもないなど、上級者向けだ。
bRoad Lanner BRL-04Fの主なスペック
製品名 bRoad Lanner BRL-04F
価格 2万4800円
販売元 プラネックス
問い合わせ先 0120-415-976
http://www.planex.co.jp/
WAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX
LAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×4
設定方法 Webブラウザ、telnet
本体サイズ 160(W)×105.4(D)×27(H)mm
重量 218g


Broad Star LD-BBR4
エレコム

 エレコムのBroad Star LD-BBR4は、WAN側に10BASE-TのEthernetポートを1つ、LAN側には10BASE-T/100BASE-TXに対応した4ポートのスイッチングハブを搭載している。
 プラスチック筐体をボディは175(W)×101(D)×31(H)mmとコンパクトにまとまっているが、PPPoE対応をはじめ、ネットワークゲームやチャットソフトなどを利用するために必要な静的IPアドレス変換テーブルの設定、パケットフィルタリング機能を装備するなど、家庭用のブロードバンドルータに求められる機能は一通り揃っている。また、LAN上のサーバをインターネットに公開できるバーチャルサーバ機能も搭載するなど、小規模な事務所などでのビジネスユースにも活用できる製品だ。




LANポート用インジケータは10BASE-T/100BASE-TXのいずれの速度で通信しているかだけでなく全/半二重のどちらで通信しているかも確認可能。背面にはWANポートとUplinkスイッチを備える4つのLANポートを装備する。

メニューは基本設定と詳細設定に分かれており、手っ取り早く導入したいなら基本設定を行うだけで使い始められる。項目の説明などはないがヘルプを参照すれば、そのページの設定内容が解説されている。
Broad Star LD-BBR4の主なスペック
製品名 Broad Star LD-BBR4
価格 1万9800円
販売元 エレコム
問い合わせ先 03-5337-3024
http://www.elecom-laneed.com/
WAN側インターフェイス 10BASE-T
LAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×4
設定方法 Webブラウザ
本体サイズ 175(W)×101(D)×31(H)mm
重量 280g

corega BAR SW-4P
コレガ

 corega BAR SW-4PはエレコムのBroad Star LD-BBR4と本体のサイズやポートのデザインなどが共通する製品だ。設定メニューなどは各社独自のものを用意しているが、機能的には大きな違いはなく、WAN側およびLAN側のインターフェイスも共通だ。フロントパネルに装備するハブの各ポートの動作状況を示すインジケータは、Link状態に加え、ポートに接続する機器が10Mbpsと100Mbpsのいずれの速度で通信しているか、また全二重通信と半二重通信のどちらを行っているかも確認でき、接続する機器が正しく動作しているかの判断に役立つだろう。
 LD-BBR4同様に派手な機能は搭載していないが押さえるべきところはしっかり押さえた、堅実な製品である。




エレコムの「Broad Star LD-BBR4」と共通の筐体を採用する「corega BAR SW-4P」は、フロントパネルのインジケータや背面のポートの配置などもまったく同じ構成となっている。

よく似たボディのLD-BBR4とほとんど同じ設定メニューを搭載するBAR SW-4P。用語やメニュー項目の数が微妙に違っていたりするが、基本的にネットワークの知識がある人向けのメニューという印象だ。
corega BAR SW-4Pの主なスペック
製品名 corega BAR SW-4P
価格 1万7800円
販売元 コレガ
問い合わせ先 045-476-4039
http://www.corega.co.jp/
WAN側インターフェイス 10BASE-T
LAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×4
設定方法 Webブラウザ
本体サイズ 177(W)×103(D)×32(H)mm
重量 270g

BroadStation BLR-TX4
メルコ

 今回紹介する中で、最も低価格な製品が「BoradStation BLR-TX4」だ。とはいえ機能的にはエレコムのLD-BBR4やコレガのBAR SW-4Pと大きな差はなく、本体には4ポートのスイッチングハブを内蔵し、DHCPサーバ/クライアント機能やパケットフィルタリングにも対応する。そのほか、CATVインターネットなど、使用するネットワーク機器のMACアドレスを登録する必要があるサービスを利用している場合でも、機器の買い換えに対応できるようWAN側のMACアドレス変更機能も装備している。
 メルコのブロードバンドルータ製品には、このほかBLR-TX4と同等の機能を持ち、さらに無線LANのアクセスポイント機能も装備する「WLAR-L11-L」もラインナップしている。




本体前面にはWAN側回線の動作状態を示すLEDインジケータを装備し、LANポート用のインジケータは側面に搭載している。背面にはWANポートと4つのLANポート装備する。

BLR-TX4の機能を設定するには、まずPCに「IP設定ユーティリティ」をインストールし、その管理メニューから、Webブラウザを起動して初めてこの画面にたどり着いてカスタマイズ可能となる。
BroadStation BLR-TX4の主なスペック
製品名 BroadStation BLR-TX4
価格 1万5800円
販売元 メルコ
問い合わせ先 03-5350-7897
http://www.melcoinc.co.jp/
WAN側インターフェイス 10BASE-T
LAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×4
設定方法 Webブラウザ
本体サイズ 76(W)×155(D)×170(H)mm
重量 490g


スループットベンチマーク結果

 今回紹介した9機種を客観的に評価する指標として、WAN→LAN間のスループットを計測してみた。ベンチマークでは、ブロードバンドルータのWANポートとLANポートに、100BASE-TX対応のネットワークカードを装着したPCを接続した閉じた環境で、LAN側に接続したPCからWAN側のPC上のファイルをFTPで転送するのにかかった時間を測定した結果を図に示す。
 ただしAterm WL20Rについては、LAN側インターフェイスとしてUSBポートあるいは無線LANしか搭載していないので、今回はUSB接続での結果を掲載している。

WAN−LAN間スループット実測値

 WAN側に接続したサーバマシンはCPUにPentiumIII-800EBMHzを搭載し、OSはWindows 2000 Professional。またFTPサーバソフトとして、IISに含まれるFTPサービスを利用した。

 クライアント側のPCはCPUにPentiumIII-1BGHzを採用し、OSにはWindows Millennium Editionをインストールした。FTPクライアントはMS-DOSプロンプト上で実行できるOSに標準で付属するコマンドラインのツールを利用した。ファイルの転送レートはFTPクライアントの表示する値を採用している。

 ネットワークカードについては、サーバ側が3Comの「Fast EhterLink XL PCI TX」を、クライアント側がIntelの「PRO/100+ マネージメント・アダプタ」を使用した。ブロードバンドルータのLANポートに接続したクライアントマシンでは、ネットワークカードのスピード設定はオートネゴシエイションとし、WAN側に接続するサーバマシンでは、10Mbps・半二重に設定した。ただし、10BASE-T/100BASE-TX対応のWAN側ポートを装備するマイクロ総合研究所の「NetGenesis OPT」およびプラネックスコミュニケーションズの「bRoad Lanner BRL-04F」の2機種の計測では、サーバマシンもオートネゴシエイションの設定で計測した。

 基本的にブロードバンドルータの設定はデフォルトから変更せず、クライアントPCのネットワークカードに割り当てたプライベートIPアドレスと、ブロードバンドルータのWAN側ポートに割り当てたグローバルIPアドレスとの間でNATが働くための最低限の設定だけを行っている。

 以上の環境でサーバPC上の5MB、10MB、30MBの3つのサイズのZipファイルを、それぞれ3回ずつFTPのバイナリモードで転送したときの平均が上図だ。NetGenesis OPTの圧倒的なスループットが目を引くが、カタログスペックの30Mbpsには少し及ばなかった。とはいえ、現状のADSLやCATVで利用するには充分すぎるパフォーマンスだ。転送するファイルサイズをもっと大きくすれば、オーバーヘッドの影響が少なくなりより高速なスループットが得られたと思われる。それに続いたのは、bRoad Lanner BRL-04Fだ。こちらもカタログ値には少し及ばなかったが、ほぼ公称値どおりのスループットを示した。NetGenesis OPTがあまりにも飛び抜けているために、MN128-SOHO PAL B & Iの結果が低く見えるが、これでもCATVやADSLサービスで利用するには充分なスループットといえる。またAtermWL20RはLAN側がUSB接続となっているが、AtermWL20Rとほぼ同等の機能を持ち、LAN側インターフェイスに10BASE-T/100BASE-TX対応のスイッチングハブ機能を搭載する「AtermWB45RL」を100BASE-TXで接続して同様の環境でスループットを計測した結果は、2.96Mbpsであったことを参考までに記載しておく。なお、メルコの「BroadStation BLR-TX4」は今回の環境では動作が安定しなかったため、結果は掲載していない。

 現在のCATVやADSLによるインターネット接続サービスを利用するなら、いずれの機種も充分なスループットを実現しているといえよう。ただし今後は「Yahoo! BB」やNTT東/西日本の「Bフレッツ」などのようなより高速なサービスも一般化してくると思われる。これらのサービスの利用を考慮にいれるなら、より高速な機器を選択しておくのもいいだろう。

(山崎)




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