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■製品レビュー
(情報家電&AV機器)
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gigabeat V30T 好きなときに好きな場所でワンセグを楽しめる最新型“gigabeat”
gigabeat V30T
東芝
オープンプライス
http://www.gigabeat.net/mobileav/audio
/


Printable Version 2006年8月2日

ワンセグ対応のケータイとパソコンの長所を併せ持つ

 どこでも気軽にTVを楽しめる携帯端末向けの地上デジタルTV放送“ワンセグ”が今年4月に開始されてから早4ヵ月。ワンセグの視聴・録画をサポートする携帯電話機やノートパソコンが登場し、ワンセグを楽しむための環境が徐々に整ってきた。しかし、現在販売されている機器にはそれぞれ不便な点がある。例えば、携帯電話機はコンパクトで扱いやすい半面、内蔵バッテリー/記録メディアの容量から長時間の視聴や録画には向かない。一方ノートパソコンはバッテリー・記録メディアともに大容量で視聴・録画時間の心配はまずないが、通勤など移動時に気軽に視聴するわけにはいかない。

東芝のワンセグ端末「gigabeat V30T」
写真1 東芝のワンセグ端末「gigabeat V30T」。

 そんな両者の長所を合わせ持つワンセグ端末の登場が期待されていたところに、東芝が新しいワンセグ端末「gigabeat V30T」をリリースした。ブラックを基調としたデザインのボディーに3.5インチの液晶パネル、30GB HDD、そしてワンセグ対応のデジタルTVチューナーを搭載する、gigabeatの最新モデルだ。ポータブルミュージックプレーヤーの枠を超えた高付加価値追加型モデルであり、ワンセグの視聴・録画はもちろんWindows Media形式の映像再生などにも対応している。ここでは、V30Tのワンセグ端末としての機能を中心に見ていくことにしよう。

前面、背面、側面
写真2 上部側面(写真上)には電源スイッチのほか、再生・一時停止、早送りなどのボタンを搭載。一方底面(写真中央)には、内蔵バッテリーパックのオン・オフなど緊急時に用いるスイッチがレイアウトされている。左側面(写真下)は、USBやヘッドフォン端子などの各種インターフェースが並ぶ。

 まずは基本スペックからみていく。ボディーは横型で、サイズは124(W)×22.5(D)×75(H)mm/約230g。3.5インチの液晶パネルを搭載している割にはスリム&コンパクトにまとまっている。若干ズシリとはするものの、シャツやパンツのポケットに入れて持ち運ぶことも可能だ。右側はケース内部にバッテリが収められているためやや厚みがあるのだが、グリップも兼ねるデザインとなっているので違和感はない。V30Tのコントローラは、さまざまな用途に使用できる“ナビゲーションスティック”とメニューを表示する“QUICKボタン”などからなるシンプルな構成で、主なボタンは右手の親指のみで操作できるようにスクリーン横に集中レイアウトされている。

 肝心のワンセグについては“視聴”と“録画”、“録画した映像の再生”の3つの機能を備える、TV+ビデオレコーダーを兼ねた構成だ。では、それぞれの機能を試していこう。



視聴機能は充実、録画機能にはさらなる改良を期待

操作部
写真3 ナビゲーションスティックやメニューを呼び出すQUICKボタンなどの各種コントローラは、向かって右側に集中配置されている。ちょうど手にしたときにナビゲーションスティックが親指の部分になるため扱いやすい。なお、スクリーンに表示されているのはメインメニューだ。ここから希望する機能を選択することになる。

 視聴機能はかなり充実している。受信可能なチャンネルの登録を行なうプリセットが3つあり、外出先と自宅のある地域でチャンネル構成が異なるような遠距離通勤者であってもチャンネルを容易に選択可能だ。TV番組の表示も、映像に加えてタイトルなどの情報や字幕を付加した状態で3.5インチ液晶パネルに大きく映せる。もともとワンセグは映像が粗いため、解像度の低さを感じる点はしかたのないところだが、発色は鮮やかで動きも滑らか。先日開幕した高校野球を始めとするスポーツなどもバッチリ楽しめる。また、字幕が画面外に表示されて見やすいのもうれしいポイントだ。騒音が激しくて音を満足に拾えないような状況でも、番組の内容を容易に把握できる。



使用感
写真4 実際の使用イメージはこのようになる。手の大きさとの比較に注目してほしい。なお、ボディー左側から出ている内蔵アンテナは折りたたみ式で、伸ばした状態から90度立てて使用できる。

 なお、一度の充電で視聴できる時間は約5時間10分ほど(液晶パネルの明るさは最大)。液晶パネルの明るさを落とせば、7時間の連続表示が可能になるという。このロングバッテリーライフも、ほかの用途とバッテリーを共用する携帯電話機やパソコンには真似できない、大きな魅力のひとつだ。

メインメニュー
画面1 メインメニュー。ワンセグの視聴・録画では、この項目から“ワンセグ”を選択する。

 一方、録画機能は手動録画(現在視聴している)に加えてタイマー録画予約が可能。あらかじめ録画したい日時を指定しておけば、自動的に番組が録画される。ただし、V30Tのタイマー録画予約は一般的なデジタルビデオレコーダーの録画予約機能とはまったくの別モノである。というのも、録画予約数は1つのみで、録画予約を設定すると録画が開始されるまでV30Tは録画待機状態になってしまう。その間にはTV番組の視聴機能などが一切使用できないのだ。

ワンセグのプリセット
画面2 ワンセグのプリセット。ナビゲーションスティックを縦方向に操作することで視聴したいチャンネルを、横方向に操作することでプリセットを変更できるようになっている
録画済み番組リスト
画面3 録画した番組はこのようにリスト化される。本文でも触れているが、この録画できる番組は最大100件。

 確かにV30Tは持ち運んで視聴することを前提にした携帯端末なので、録画予約を忘れてTV番組を視聴していたり、電波状態の悪い電車やバスでの移動中に録画処理が実行されても困る。とはいえ、HDDレコーダーの快適な操作性に慣れたユーザーも少なくない“今どきのAV機器”としては、せめて複数番組の予約録画をスケジュールしておけたり、その時間になったら録画実行の可否を確認・選択できる程度の機能はほしかった。

 30GBのHDDにワンセグの映像を記録できる時間は約130時間で、登録できる番組数は最大100タイトルとなっている。録画時間はそれなり余裕があるものの、5〜10分程度の短時間の番組を日々録画する人には、100タイトルでは足りないかもしれない。また、1回の録画実行で記録されるのは最大4時間となっている。サッカーや野球、映画などの長尺番組をV30Tで録画・視聴する人は少ないかもしれないが、最大時間の制限を忘れていると最後の肝心なところが切れてしまった、という可能性がある。そんな場合には、CM中のような適当な場所でいったん録画を中止するなど、ユーザー側の工夫が必要だ。

QUICKボタンのメニュー
画面4 QUICKボタンを押すと、そのときどきの状況に合うメニューが表示されう。このメニューは視聴時のもので、録画や録画予約などの実行も可能だ。
録画予約機能
画面5 録画予約機能。スケジュールできる番組が1番組のみというのはなんとも不満。

 なお、ワンセグで録画した映像に対してパソコンからはアクセス不可能で、パソコンでの映像再生や編集はもちろん、外部バックアップも行なえない。このように、録画機能は最小限に止まり、持ち運べるHDDレコーダー+TVを期待するとやや厳しいのが現状だ。V30Tは基本的にポータブルTVであり、録画は必要に応じてできる程度に考えておくほうがいいだろう。


 価格はオープンプライスで、店頭での実売価格は5万円前後。録画機能をセールスポイントに打ち出している割には機能面が物足りないが、先に記したとおりTVとしての視聴機能は申し分ない。ケータイの小さな画面やバッテリー駆動時間では物足りない、でもパソコンでは重くて不便。電車の中や移動先でも気軽に使える便利なポータブルTVがほしい――そんなユーザーには、現時点でV30T以外の選択肢はないだろう。ワンセグを中心に、オーディオ・ビデオをいつでも気軽に楽しみたい人にもお勧めしたい。

gigabeat V30Tの主なスペック
製品名 gigabeat V30T
再生オーディオ形式 WMA(Windows Media Audio)、WMA 9 Lossless、MP3、WAV
再生ビデオ形式 WMV(Windows Media Video)、JPEG
記録メディア 1.8インチHDD 30G
液晶ディスプレー 3.5インチTFT液晶パネル(QVGA表示)
チューナー 地上デジタル(ワンセグ)
インターフェース USB 2.0、ヘッドホン端子/ビデオ出力
電源 リチウムイオン充電池
視聴時間 約7時間(ワンセグ視聴)、約9時間(ビデオ再生)、約25時間(オーディオ再生)
本体サイズ 幅約124.0×奥行き19.5×高さ75.0mm
重量 約230g(本体のみ)

(伊藤 裕也)



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