2006年10月3日
キヤノンの「IXY DIGITAL L4」は、“IXY DIGITAL”シリーズの妹分といった印象のウルトラコンパクト機だ(関連記事1)。従来の「IXY DIGITAL L3」(2005年9月発表、関連記事2)から高画素化と高感度化が図られている。
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キヤノンの「IXY DIGITAL L4」。 |
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上位モデルのIXYシリーズなどと比べて高さを抑えたデザインのため、横に長い形状となっている。沈胴レンズには電動レンズカバーも装備される。 |
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シャッターボタンと電源ボタン、スピーカーが並ぶ上面。ゴールドメッキの部分は本体の上面と側面に回りこんだデザインとなっているほか、沈胴するレンズ鏡胴部も同色だ。 |
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外観は、IXY DIGITALシリーズの高さを抑えて一回り小さくしたようなボディーを採用しつつも、IXYシリーズと同様に剛性感と高級感のあるアルミニウム外装を採用。L3では4色カラーリングのボディーにレンズ部などがクロームシルバーのメッキパーツをあしらった“2トーンカラー”が特徴的だったが、L4ではボディーカラーのシルバー(オリーブグレイ)や茶系のボディーに似合うゴールドメッキ(トワイライトセピア)が登場した。
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ボディーは前後ともに滑らかな曲面形状を採用。右側面は大きく開いて電池/SDカードスロットとなっている。 |
撮像素子は1/2.5インチ有効710万画素、レンズは光学2.4倍ズーム、液晶は1.8インチ低温ポリシリコンTFTと、基本的にはL3をそのまま高画素化した製品であり、ボディー形状などにも変更はない。
画素数以外の変更点としては、昨今の高感度撮影による手ぶれ予防の流れを受けて最高ISO 1600まで設定できるようになった(L3では最高ISO 400まで)。これに合わせて、ISO“オート”より感度アップする“高感度オート”が追加された。
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ズームレバーをカーソルの上下で代用していることもあってシンプルな操作部。カーソルを中心としてボディーが円形に波打ったようなモールドが施されているのは指を置きやすい。液晶画面はFUNCを押した際のメニュー。 |
また、画像処理エンジンも新たに“DIGIC III”(ディジックスリー)を搭載し、画像認識機能によって人の顔に対してフォーカスと露出合わせを行なう“フェイスキャッチテクノロジー”が搭載された。この機能を使うにはメニューのAFモードを“顔認識”にするだけで、仮にこのモードで顔が認識されなくとも通常のAiAF(9点測距)となるので、ユーザーはあまり意識することなく利用できるのはうれしい。
細かい仕様変更だが、縦位置で撮るときの代用シャッターがFUNCボタンからイージーダイレクトボタンになったことも挙げておきたい。カメラを縦に持つと内蔵センサーによって縦位置に画像が記録されるのはIXYシリーズに共通の仕様だが、本機では撮影時に縦位置を検知すると自動的に“イージーダイレクトボタン”の中央にある青色LEDが点灯するとともに、液晶ディスプレーにシャッターアイコンが表示される。
これは縦位置撮影時にイージーダイレクトボタンをシャッターボタンとして利用できることをわかりやすく示したもので、縦位置で持ったときにはちょうど“携帯電話機のデジタルカメラ機能”のように使えるわけだ。機能自体はL3でも採用されていたのだが、L3ではFUNCボタンをシャッターとしていたため、縦位置にすると露出補正やホワイトバランスなどの設定ができなくなってしまった。撮影時には不要なイージーダイレクトボタンをシャッターに使うのは当然といえば当然だが、青色LEDが光ることによって直感的に分かりやすくなった。
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付属のクレードルにセットしたところ。カメラ本体にはクレードル用インターフェース以外は備わっていない。 |
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クレードルはUSB、AV出力、DC入力端子を持つ。レンズ部には切り欠きがあり、クレードルにセットしたままでも撮影できるようになっているが、PC側でのみ制御可能だ。 |
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ただし、本来のシャッターボタンとは違って半押しができないため、押し込んでからAFが効いてシャッターが切れるという、ケータイのデジカメ的な撮影動作となる。縦位置撮影時には本来のシャッターボタンも動作するので、シャッターを半押しにしてAF・AEロックを効かせてから撮りたい場合は、こちらを使ってもいいだろう。なお、縦位置にした状態でも液晶のステータス表示、FUNCボタンなどによるメニュー表示には変更がないが、ちょっとした姿勢の変化で表示が頻繁に変わるのはかえってわずらわしい場合もあるので、やむをえない措置だろう。
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ケーブルを除く付属品。16MBのMMCが付属する。赤外線リモコンはクレードルにセットして再生時にのみ使用する。 |
バッテリーはL3と同じ小型のリチウム充電池パックを使用するが、省電力技術の向上もあって撮影可能枚数はL3の約160枚から約190枚に伸びている。バッテリーは本体のみでは充電できず、付属のクレードルを用いての充電となる。クレードルはUSBやAV出力などのほか、付属リモコンを使うことでTVなどへAV出力する際にコマ送りや拡大表示、メニュー操作などが行なえる。クレードルの底面には三脚穴が用意され、レンズを展開した状態でもカメラをセットできるようになっているのだが、リモコンを使った撮影機能が用意されていないのは残念なところだ(USB経由でパソコンからの操作は可能)。
実際に使って見ても、このコンパクトさはかなり快適だ。IXY DIGITALシリーズと横幅はほぼ同程度ながら高さは2/3程度に収まったコンパクトボディーで、横長なスティック型カメラのような感覚で利用でき、縦にして持つと確かに携帯電話機のデジタルカメラさながらの感触となる。といって、縦位置シャッターとしては半押し機能がないスイッチを常にシャッター代わりに使うのも考えものではあるが、携帯電話機を主に使ってきた(デジタルカメラでは)ライトユーザーにしてみれば、さほど違和感なく撮影できるのは確かだろう。
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サンプル1 細部がやや甘い印象は残り、ハイライト部などで階調が飛び気味ではあるものの、ウルトラコンパクト機としてはなかなか良好な描写となっている。プログラムオート、1/160秒、F5.6、ISO 100。元画像は3072×2304ドットで、640×480ドットへリサイズおよびトリミングしたほかは補正していない。 |
また、コンパクトボディーにもかかわらず使いやすいのも感心させられる。上位モデルであるIXYシリーズと比べるとモードダイヤルやズームレバー、DISPボタンが省略されているのだが、ズームはカーソルキーで、それ以外の各種設定はFUNCボタンによって呼び出すメニューの中に格納されるなどして、うまくまとまっている。もともとIXY DIGITALシリーズの撮影機能はプログラムオート中心とはいえ、FUNCボタンで選択できる項目や操作性などは驚くほどそのままで省略されていない。1.8インチという液晶サイズは、最近のコンパクトデジタルカメラとしてはさすがに小さく感じるものの、そのぶんスイッチ類が余裕あるレイアウトになっているのも好印象だ。
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サンプル2 すっきりとした空から黒くつぶれそうな暗部までうまく階調表現されている。プログラムオート、1/500、F3.2、ISO 80。 |
撮影結果もIXYシリーズならではの“明るい発色とくっきりした輪郭”となっており、これだけのコンパクト機とは思えないほどのきちんとした絵作りとなっている。IXYシリーズの上位機に比べると周辺部では若干描写力が落ちているのは気になるところではあるが、一回り小径のレンズを搭載したことを考えればやむを得ないところだろう。
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サンプル3 マクロ撮影では広角側で10cm、望遠側で50cmまで近接できる。望遠側で撮影。プログラムオート、1/125秒、F5.6、ISOオート。 |
また、さすがにISO 1600の高感度ではかなりざらつきが多くなる。新画像エンジンの威力もあって、ざらつきはあっても派手な輝点ノイズはあまり見られないのだが、普段使うのであれば最高でもISO 400〜800程度に抑えておきたい。
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サンプル4 夕暮れ時の薄暗い街中を高感度で撮影。1/80秒と手ぶれの心配はしなくて済むシャッター速度だが、やはりざらつきは大きくディテールも失われがちなので多用するのは避けたいところ。プログラムオート、1/80秒、F4.0、ISO 1600。 |
屈曲光学系によるスリムタイプや光学式手ぶれ補正搭載機など、コンパクトデジタルカメラのバリエーションに選択肢が増えてはいるが、まだまだ携帯電話機のデジタルカメラユーザーのほうが町中で確実に見かけるのは事実。そんなケータイユーザー、特に女性をメインに狙った製品だけに、L4の高級感のある外装や細部まで隙がないデザインの仕上がりは、昨今のデジタルカメラの中でも1、2を争うほどの完成度と言えるだろう。デザインだけでなく、各種機能に関して上位機とさほど変わらないままに小型化している点も高く評価でき、高画素・高機能化する上位モデルと並んでIXYシリーズの完成形のひとつと言えそうだ。
| IXY DIGITAL L4の主なスペック |
| 製品名 |
IXY DIGITAL L4 |
| 撮像素子 |
有効710万(総740万)画素、1/2.5インチCCD |
| レンズ |
光学2.4ズーム、f=6.3〜14.9mm(35mmフィルムカメラ換算時:38〜90mm)、F3.2〜5.4 |
| 静止画撮影 |
最高3072×2304ドット |
| ISO感度 |
オート/高感度オート、ISO 80/100/200/400/800/1600相当 |
| 動画撮影 |
640×480ドット/30fps(MotionJPEG圧縮AVI形式) |
| 液晶ディスプレー |
1.8インチ低温ポリシリコンTFT(約11万8000画素) |
| 記録メディア |
SDHC/SDカード(16MB付属)/MMC |
| インターフェース |
本体:専用クレードル クレードル:USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力、DC入力(ACアダプター付属) |
| 電源 |
リチウムイオン充電池(NB-4L) |
| 撮影可能枚数 |
約190枚(CIPA準拠) |
| 本体サイズ |
96.1(W)×23.9(D)×45.1(H)mm |
| 重さ |
約105g(本体のみ) |
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(行正 和義)
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